2012年4月29日日曜日

A4ファイルもはいります。

先日の「衣類片づけ祭り」で残ったバッグたちはどれも長い付き合いのものばかり。その中でも、普段よく使うのは2つ。素材は異なりますが、共通するのはサイズで、「A4の本がはいる」というのがポイント。

小さいかわいいバッグだけもっての外出にはかなり憧れるのですが、わたしの場合、出かけると書店もしくは図書館に寄ってしまい、そこで本を入手。あるいは、喫茶店で本や雑誌を読むというのも好きなので、バッグに本を入れておくことも多く、そうすると最低A4サイズがはいると便利です。

他に好きな場所といったら、映画館や美術館で、そこにはたいてい、A4サイズのチラシが。映画館や美術館でそれらを選ぶ時間もかなり好きで、で、そうしたチラシを部屋に貼って飾るのも好きだったりするので、なるべく折りたくありません。というわけで、やっぱりA4が必要。

そんなA4バッグのうち、いちばん長く使ってるのは、革製のショルダーバッグ。実に20年以上の付き合いですが、ちっともくったりせず、傷んだ感じにもならないのが不思議。肩ひも部分と本体の接続部がしっかりしてることと、きっと力学的にものすごくバランスのいい位置にその接続部があって、力が分散してるのでは、なんて、思ってます。あと、そもそも素材の革ががっしりと厚いのもポイントかも。

そう、耐久性っていう面では、革は抜群に高性能なんだなあと、先日、数々のバッグを捨てつつ実感。ビニール、ナイロン、その他石油化学系の素材は変色したり、弱くなって破れたりと、見るも無惨に劣化。布類も、へたったり、汚れがとれなくなったりと、使えなくなったものがたくさんありました。

さて。上の写真のバッグは、「衣類片づけ祭り」後の新入りバッグ。今後数ヶ月、A4ファイルだけど、A4より大きいがっしりファイルを持ち運ぶことにしたのですが、これが入るバッグは持ってないしどうしよう、と思っていたときに書店でnest Robeというブランドのムック本のふろくのこのバッグを見つけ、一目惚れ。A4大きめファイルがはいるのはもちろんのこと、ワンショルダーなこと、素材がリネンなこと、が気に入りました。

リネン以外でもこうした、ずた袋的?なしっかりざっくりした風合いのバッグは大好きで、定期的に買ってる気がしますが、今回はムック本もついていて(本来は逆ですが。笑)お得感がありました。

でもこのバッグ、本当に大きいので、中身を入れすぎないように注意する必要あり。ほんと、たくさん入りますが、肩ひもが細いので、重さが肩にくいこみます。実際、先日は中身を入れすぎて、肩こりを通り越した肩の痛みを体験することに。涙

んー、すこしリメイクして、持ち手をつけたり、肩ひもを部分的に太くしたほうがいいかも。よし。

2012年4月27日金曜日

能登の色と光。

たしか数年前のことだったと思いますが、金沢のとあるお店(置いてあったのは、ざっくり言ってナチュラル系服飾雑貨)でリネンのクロップドパンツを買い物をしたとき、「あ、能登にお住まいですか。うち、能登のお客さんが多いんですよ。」と言われ、首をかしげたことがあります。

が、いま思えば、ナチュラルというか自然素材の服や雑貨はきっと、色や質感が自然の多い場所に似合うだろうし、わたしもそうだったように、ぱっとみて自分の生活の中にその服や雑貨がとけ込む様子が想像しやすかったのでは、と思います。

服は着る人との相性はもちろんですが、その人の住む場所の色や光との相性も大切。というか、人は自然と環境にも合う服を選ぶのかもしれません。例えば、わたしの場合、能登の他、京都にも長く住みましたが、能登に比べるとどの季節も明るく(晴れの日が多い)、特に冬はあまりにも明るくて眼がおかしくなりそうでした。能登の冬は暗く、そして雪が降るとあたりは真っ白になって、と、色が消える感じなのに対し、その他の季節は雨が多いといってもその日のうちに晴れたり曇ったりと光量がころころと変化。

なんてことを、いま、「衣類片づけ祭り」の余韻として考えてます。「修理&リメイク」山にはいった衣類は、今わたしが住んでる場所との、色と明るさ、素材感の相性の問題も抱えてるんだなあと。かつては気にならなかった繊維が、かつてはいいと思った色が、なんだかずれて感じられることに、スカートひとつ、布編みしてみて気づきました。つくったのは雑貨でしたが、どうも色と素材感が今の部屋とあわないのでボツ。

ところで服、特に日常的に家で着る服の場合、こうした土地環境との相性の他、ペットの毛色との相性も大切な気がします。例えば、猫を飼う前から着てる紺色のコットンセーターは、まさに今着たい服なのですが、猫毛(明るい茶色)が目立つことこの上ありません。とってもとっても猫毛がからみついて、ある意味一体化。もう外へは着ていけません( -e-)

そういえば、わたしも父も、家の中でふだんよく着る服の色がかなり猫毛の色に近くなってます。猫毛がつくと目立つ服は自然淘汰されてるような…。でも、これって衛生的には…。

2012年4月25日水曜日

ふろくにつられて。

「衣類片づけ祭り」は終わったようで終わらず。というのは、なんといっても「修理&リメイク」山があるからで、えいっとこれ全部捨てるか、修理&リメイクするか、と迷ったのち、わたしは後者を選びました。

こんまりさんがいう「ときめき」にも種類があるのか、この「修理&リメイク」山の衣類たちは、衣類としてときめいたというより、布、材料としてときめいた、という感じ。片づけ祭りをはじめた今は、とにもかくにも「捨てる」か「残すか」の判断をしてあとは保留しておけばいいのかもしれませんが、今着れるもの、身につけることが出来るものを作れるなら作りたいし、とにもかくにもやってみることに。

ところで、作業にあたっては、まずイメージが大切。と、図書館で手芸本を、書店でファッション雑誌をぱらぱら。昨日行った図書館ではこれといった本が見つかりませんでしたが、書店ではファッション雑誌をみるのがたのしくイメージが湧きそうな気がしたので、『madame FIGARO』と『リンネル』を入手することにしました。

で、レジに持っていってこの2冊を積み上げてみてしみじみ。とんでもなく厚いです。バッグにはいらないかもと思い、レジ袋にいれてもらって持ってみると、ずしりと重かったのはいうまでもありません。基本、徒歩での移動、しかも珍しくヒールのある靴をはいていたため、その重さはいっそう身体にこたえ、そうしてよれよれと歩いていたわたしは間違いなく、「ファッショナブル」から遠いところにあったはず ( -e-)

正直、『リンネル』は、ふろくのソーイングセット(写真)のかわいさと充実ぶりに惹かれて買っちゃったところがありましたけど、でもこんなに厚い雑誌にしなくてもいいのに…。この2冊にかぎらず、厚く、重くなってしまっている女性誌は多々。そしてふろくまでついて、巨大な物体となっているのは、女性誌業界のキビシサや迷いを反映しているかもしれませんが、これっておしゃれに持ち歩くのはムズカシイはず。買ってすぐに車にのせる、あるいは通販で買うことを前提にしてるのかしらん?

ともあれ、入手した『リンネル』最新号をよくよくながめてみると、スタイリストさんがリメイクを解説してるページ(p.40-41)もあり、かなり参考になりました。さらには、ミナ ペルホネンではリメイクデニムの受注&販売(毎月10本限定)を行っているという記事もあり(p.108)、ひざにパッチワークといってもこんなにかわいくできるの!?とその写真に釘付け。リメイクはセンス、ですね。すくなくとも、もうしばらくは遊んでみよう♪

2012年4月22日日曜日

祭りの準備。

今日は目が覚めてからずっと、昨日の「衣類片づけ祭り」のことを考えています。気づいたことも多々ありますが、反省点も多々。

特に反省するのは、家の中で自分の衣類がある場所をしっかり把握できていなかったこと。正直まだどこからか出て来る可能性もあります。というわけで、「祭り」の前にはそのカテゴリーのものがある可能性のある場所をしっかりチェックしなくては。つまりわたしの場合、「祭り」には家じゅうを歩き回っての準備が必要なよう。

実は昨日も準備をしなかったわけではなく、衣類をひろげることになる床に掃除機をかけたり、そもそも何故片づけをするのか、最終ゴールとなる理想の暮らしのイメージづくり、といったこともやってはみました。

が、きっぱり捨てられない、「修理もしくはリメイク」カテゴリーの山ができ、そのことについてちょっともやもやしてるのはイメージをもうちょっとはっきりさせる必要があるのかも…。

次は近いうちに、「本類片づけ祭り」を行う予定ですが、なるべくぬかりなく準備してみたいと思います( -e-)

2012年4月21日土曜日

衣類片づけ祭りをやってみた。

人生がときめく片づけの魔法』を胸に、今日は朝から「衣類片づけ祭り」に励んでみました。

衣類はそんなにたくさん持ってないはずだし、午前中であっさり終わるだろう、と軽い気分でのぞんだのですが、当初は思ってもみなかった展開に。こんまりさんおすすめの順序、トップス→ボトムス→かけるモノ→靴下→下着→バッグ→小物→イベントもの→靴、の順に捨てるものと残すものを全て分類した!と思ったその時、ふだん使ってないある部屋の押し入れが気になり、開けてみてみたところ、たくさんのバッグが出現しました。

しかもそれらのバッグの中には衣類が(ポケットからは指輪がでてきました)。バッグの下の箱にはさらにまた衣類が。その下には靴箱があって、その中には毛糸が…。と、ほこりっぽい押し入れの中から次々といろんなものが現れました。

収納した記憶がないものだけでなく、何故持ってるのかわからないものも。たとえば、さるぼぼがたくさん下がっている部屋飾りが出てきましたが、わたしにはそれに関する記憶が全くありません。母にきいてみても憶えはなく、でも喜んでもらってくれたところをみると、母が高山のお土産に買ってきてくれたものだったのかも…。

と、この辺りまでくると、「衣類の片づけ」のはずが、「押し入れの片づけ」になりそうだったので、とにかく衣類関係をとりだして分類。そもそもすっかり忘れていた時点で、「ときめかない」カテゴリーにいれてもよかったのですが、手にとってみるとまた着たいものもありました。ただし、長い間押し入れに入っていたものは多少ほこりっぽいので、洗濯に。

今のところ、捨てるものは燃えるものと燃えないものを分解してゴミ袋に、収納についてはクロゼットと洋服かけに、と捨てるものも残すものも一応場所がきまった状態になったのですが、その他その中間ともいえるグループ、「修理もしくはリメイク」という山もかなりの量があります。布編みでいろいろつくりたいし、ミシンも出てきたから服のリメイクにも挑戦したい。ポジティブに考えればちょうどいい材料が手にはいったともいえますが、今ひとつ片づいてない感も正直あり。

ともあれ、一応はこれにて「衣類の片づけ祭り」は終了。モノ別に捨てることの利点はまず、自分がどれだけそのカテゴリーのモノを持っているのか、を把握できることだなあと実感。買い足していくときに何を足せばいいかもよくわかって便利です。

2012年4月20日金曜日

『人生がときめく片づけの魔法』をiphoneで。

「断捨離」の記事を読んだ方が、近藤麻理恵こと、こんまりさんの、『人生がときめく片づけの魔法』をおすすめしてくださいました。以前から気になってた本だし、読んでみよう!と近隣の図書館3館での蔵書検索を試みたところ、どの図書館も所蔵しているけれど、現在は貸し出し中という人気ぶり。

だったら予約して待とうかな、とも思ったのですが、もしかして電子版もあるかもしれない、と調べてみると、ありました。iphoneで読める動画つきのアプリで、価格は古本で買うのと同じくらい。そういえばiphoneで本を読む、という体験はまだしてないし、いい機会かも、と早速ダウンロードして読み始めました。

iphoneでの読感は、というと動画があるのが便利なような邪魔なような。肝心の文章は、字体が好みじゃないし、余白が少なすぎるのも気持ちわるい。そもそもiphoneの画面は本としては小さすぎるんだろうな、あー失敗したかも…。と、紙の本が恋しくなりつつも、内容は面白いのでどんどん読むには読めて結局その日のうちに読了。いわゆる「本」じゃなくて、ワープロで打ってプリントアウトされた原稿を読んでいるような感じでした。

さて、著者のこんまりさんは、バラエティ番組で芸能人の部屋を見事に片づけた姿、その静かなたたずまいが心に残っていた人。この本では、子どもの頃から片づけに励みに励んで、試行錯誤を繰り返し、ついには極めた!でも、まだまだです!という語りがとても素直でユーモラス。そして達人な風情。

それにしても、
片づけは祭りであって、毎日するものではない
という主張には驚きました。「そんなの絶対無理!」と最初読んだときは思いましたが、読み進むにつれ、なるほど、という気持ちに。片づけとは、1)モノを捨て、2)収納場所を決める、ことだとシンプルに説明され、その前に理想の暮らしを考えイメージすることが大事なこと、「ときめき」という感覚を基準にモノを選べば、残るのは収納可能な量である、という経験則を説明されるとなんだか納得、自分にもできそうな気持ちに。

具体的に役に立ちそうだ、と思ったのは、場所別ではなく、モノ別に捨てること、そして捨てる順序を指南してくれていること。衣類→本類→書類→小物類→思い出品の順が捨てやすい、というのは、とてもとてもなるほどお、でした。

そして何よりこの本を読んでよかった、と思ったのは、「ときめかないけど、捨てられない」モノへの対処法。ひとつひとつ、その本当の役割を考えてあげること、が大事。役割を終えたものは手放したほうが、モノもうれしいはず、と、このあたりになると、ものすごくモノが擬人化されているのですが、ありがとうの言葉とともに捨てるという彼女の提案は、人間関係にも通じる素敵な別れのよう。「捨てるのはモノがかわいそう、もったいない」という声がきこえてきそうですが、ありがとうの言葉とともにそれがふっとんでいくような気がします。

こんまりさんは神社好きで、巫女の経験もある、ということが後半になってでてきますが、これを冒頭の「片づけは祭りである」と重ねたとき、わたしの脳裏に浮かんだのは、岡野玲子さんの漫画『陰陽師』の世界。片づけはまさに魔法、陰陽師に息をふきかけられた人形の紙が、陰陽師のために働くように、モノが作り手や使い手の想いを宿して働く。片づけは、一種、想いを宿す儀式のようなものかしらん、と、想像がふくらみました。そういうふうに捉えてみるのも、面白いかもしれません。

とまあ、かなりスピリチュアルにも受け取れる後半、だんだんこんまりさんってば、『ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門』のカレン・キングストンさんのように、モノのエネルギー(?)というか、人からモノへの影響の痕跡を読み取ることができる人なのかも、と思われてくるのですが、その表現や感じ方がより日本人的で、わりとすんなりはいってきます。あえていうなら付喪神(つくもがみ)的ななにかを彼女は感じているのかも。

明日は新月。片付け祭りによさそうだし、こんまりさんのおすすめどおり、朝からやってみようかな。iphoneアプリでざくっと一読してしまいましたが、今後は「服のたたみ方」など、要所要所を読みながら、動画をみて実践することになりそうです。

2012年4月19日木曜日

「断捨離」

ものを「捨てる」のはなかなかに難しい作業。それはものが想いやストーリーを背負ってる存在だからだとしみじみして、すこしは「捨てる」ことが身に付いたのは、カレン・キングストンさんの『ガラクタ捨てれば未来がひらける』や『ガラクタ捨てれば自分が見える―風水整理術入門 』を読んでからのことでした。

やがて「断捨離」という言葉をよくきくようになりましたが、きっとカレン・キングストンさんの著書と同じようなことが書いてあるのだろうと想像して、ずっと読まずにきました。が、図書館の棚で『断捨離 私らしい生き方のすすめ 』という本をみかけたときは、やっぱり一度読んでみようかという気になり、借りて読んでみました。

「断捨離」の提唱者、やましたひでこ氏の監修のもと、心理療法家である川端のぶこ氏が書いたこの本には、これでもかというくらい細やかな、モノと人とのこころの関係が描かれていました。そして部屋が、さらには家が自分らしい心地よい空間になるための、モノの取捨選択法と心構えというか、「健全な」思考法のヒントや適用例が書いてあって、とても新鮮な読み心地。自分のものづきあいと、その背後にある思考を点検してみたら面白いかも、という気になりました。

同時に、この著者の一冊目の断捨離本もすぐに読んでみたくなり、Amazonで探してみたところ、中古本を43円で発見。断捨離本が「断捨離」されたのかも、とちょっとせつないような気持ちになりながら『モノを捨てればうまくいく 断捨離のすすめ』というこの本を購入して読んでみました。

この一冊目の断捨離本は、「断捨離」概論と、体験記がメイン。そしてこの本も監修は、クラターコンサルタントのやましたひでこ氏。
 断捨離を実践する、つまり「モノとの関係を問い直す」ことで、不思議といろいろなことが起こります。

 今の自分にとっての、不要・不適・不快を、意識した時、そこから新陳代謝がはじまります。不要、不適、不快を、意識して意図的に取り除いた時、「つまり」が解消されてなにもかもが流れを取り戻すのです。

 家の中には光と風が流れ込み、空気が変わります。
 片づかない悩みの種だったモノたちが味方へと変わり、執着は愛着となって、わずらわしい日常が「ごきげん」へと変化します。(p.9)
とのやましたひでこ氏の言葉どおり、川端のぶこ女氏の体験は、トンネルをぬけた後のような、すっきりキラキラしあわせ感がいっぱいでした。

いっぽう、そのすっきり感を読書で疑似体験したわたしはというと、自分のおなかの調子の悪さに敏感になり、食べ物や飲み物に気をつけるようになりました。そしてここ10年ほど、押し入れからだしっぱなしにしてあった大きなトランク(収納や簡易テーブルとして使っていた)と自分の関係を問い直し、それを押し入れに収納。

トランクを捨てたわけではないのですが、旅と自分の関係についてしばし向き合って、今現在なりの結論、つまりは「長期の海外滞在の予定なし」を確認することになり、なんだかものすごくすっきりしました。もちろん部屋もぐっとひろくなり、風通しも改善。掃除もしやすくなりました。

わたしが今住む家は築100年と、古い家。先祖代々な古いものとも一緒に暮らしていますが、新陳代謝できる部分はすこしずつすこしずつ快適に整えていけたらな、という以前からの想いを、この2冊の断捨離本はこまやかに支えてくれそうです。

2012年4月18日水曜日

本づきあい。

読みたくて次々と本を買い、でも実際は全部読むわけでもなくて、そのうちに本棚がいっぱいになって部屋にあふれだし、それでもまだ読書欲はとどまらず、図書館や本屋をぶらつき、やがて古本屋にたどりついて本を買い、本を売る。たぶん、わたしの人生の中で、「売る」体験がいちばん多いものは本。

たしか最初は大学生の頃、大学近くにたくさんあった古本屋に、読み終わった本をどっさりもっていきました。で、眼の前で古本屋のおやじさんが査定をするのですが、ベストセラー小説がまじっていると、「あー、これは売れないから」とはずされて、そんな流行の本ばかりだと、対応もあまりよろしくなく全部もって帰ることに…。一方で、その古本屋さん好みのジャンルというか、ちょっと珍しいような古めかしいような、たいていは学術系の本、そんな目玉商品(本)があると、がらっと態度が変わって、なぜかベストセラー小説も一緒に買い取ってくれたりする、そんなやりとりを重ねるうちに、古本屋さんへ行く時はその本屋さんの嗜好を考慮して本を売りに行くようになりました。

とまあ、本を増やしてなんとか収納するというより、出会いと別れをたのしむ感じ。ある程度思い入れがあって、何度も読む本は長く本棚に残りますが、それでもやっぱり所有欲のようなものはいつの間にか消えてしまったようで、図書館で同じ本を見かけると、別に手元になくてもいいか、という気持ちに。

文字を追うだけでいいのなら、今は電子書籍という選択肢もあるわけですが、やっぱり「モノ」としての本は魅力的。紙の質感と読書体験は切り離せません。例えば辞書。長く残っている本の中には、めくり心地のよい辞書というのもあります。さらにはカバーによってもまた読書体験が変わると実感したのはつい先日のこと。布編みでなんとなくブックカバーをつくり(写真)、ためしにある本をカバーしてみたらなんだかいい感じ。そのいきおいでもう何度も読んだその本をまた再読したのが、ちょっとこれまでとは違う読み心地だったような。

まだ電子書籍で何かを熟読、という体験はないのですが、もしかすると電子端末とその操作感、そしてカバーでさまざまな読書感をたのしめるようになるのかも。そういう意味では読書の未来というか、おばあちゃんになっての読書がかなり楽しみです☆

修理しながら使いたい。

今日は奥能登、珠洲市でメガソーラー発電所の着工式があるそう。昨日のNHKニュースでこの話をきいたとき、世論の変化のようなもの?をすこし感じました。たぶん、3.11以前だったら、こうした太陽光発電ニュースは報道されなかったのでは、と思います。

原発ってこわいな、特に地震の時はこわい。と、わたしが感じはじめたのは、2007年の能登半島地震の時で、ちょっとでもいいから自分にできることはないかしらん、と太陽光発電を自分で体験してみることにして、携帯や単三、単四電池を充電できるプチ太陽光発電ガジェット、バイオレッタソーラーギアVS01(写真)を入手したのが2008年のはじめのことでした。

あれから4年以上が経過。細々とした発電ではありますが、しっかり生活の一部になっていて、照明や時計などにこの電気を利用しています。一度、物干し竿(高所!)から落として動作しなくなったこともありましたが、メーカー(太陽工房)に相談して送ったところ、無料で修理して、しかも劣化した単三電池を新品のものにとりかえてくれました。故障といっても、蓄電部の電池と接続する金属の角度が変わっていただけだったそう。と、かなり丈夫な製品です。この調子でいけば、少なくとも10年はいけるんじゃないでしょうか。

ちなみに、太陽工房のサイトのトップページには、2000年10月から稼働している、つまりは稼働12年目の同製品が堂々とかかげられています。さらには、部分的な破損や劣化に対応して、スペアパーツの販売も用意されていて、なんとも頼もしい限り。

とまあ、この発電ガジェットは、多少こわれても修理しながら長く使えそうな点がかなり気に入っています。こういう製品、増えるといいな。

関連リンク
太陽工房のサイト
北陸電力、メガソーラー「珠洲太陽光発電所」の建設を開始|環境とCSRの専門メディア ecool(エクール)

2012年4月17日火曜日

ワンピースからシュシュ。

先日、実家の押し入れを整理していたら、布団がはいるような大きな箱が出てきました。開けてみると、その昔、わたしが小中学生だった頃に使っていた手芸道具や材料、そして作りかけの作品などがわらわら。

ずっと使ってなかったし、今も別に使わなくても生活できる、という意味ではゴミの山のような発掘品ですが、手芸する、という目でみれば宝の山。大量の刺繍糸に毛糸、はぎれの数々。

そしてその中にひとつだけ、なぜか小さなワンピースがまじっていました。たぶん、3〜4歳頃に着ていたと思われるその服は、上が真っ赤で、スカート部分がリンゴの柄の布。

もちろん、大人になったわたしは着れない服ですが、モノとしてかわいい。母がみるとなおさらそうだったのではないか、だからこの箱にとりあえず入れたのでは、想像するのですが、今のわたしがこのワンピースをみてまず思ったのは、「リメイクしたい!」でした。スカート部分の布の柄がちょっとレトロでかわいい。状態もいい。だから何かを作りたい。

シュシュなんてどうかしら、ちょちょっと縫えばできるし、と当初は縫い物をするつもりでしたが、ちょうどこの頃、布編み(裂き編み)手芸のことを知り、いくつか他の布でやってみたところすっかりはまったその勢いで、布編みのシュシュをつくりました(上の写真)。スカートはもちろん、リンゴの柄はちょっとカタチを変えましたが、かつて着ていたワンピースが、今でも使えるモノに変身しました。ワンピースの思い出つきなシュシュ。見るたびに、かつて自分が小さな女の子だったことを思い出す髪飾り♪

リメイクって面白い!と、これで味をしめたわたしは、さらにまた押し入れで見つけた別のワンピースのリメイクをしようと頭を悩ませています。今度は自分のではなくて、母のワンピース。パステルカラーのピンクでレースを多用したそれを母に見せたところ、作った時、着た時の思い出を話してくれました。

不思議なもので、そのモノにまつわるストーリーを聴くと、同じワンピースがずしっと重く感じられるようになり、簡単にはさみをいれるつもりだったのが、そうもいかなくなっている今日この頃。なにせオーダーメイドの洋服で、タグもなく、生地の種類さえわかりません。

そんな中、リメイク応援隊のようになった母が、昔わたしが使ってたミシンを出してきました。エンジンはかかりにくいのですが、一応動きます。んー、これがあれば服もできるかも、でもどうしよう…。


参考手芸本
かぎ針で布編み。―裂き編みで作るアクセサリー、バッグetc. (セレクトBOOKS) イシカワナナ