2012年7月10日火曜日

原子力発電所のこと。

もうずいぶん昔の話になりますが、高校時代は物理の授業がかなり好きで、なかでも眼に見えない現象の存在を証明するタイプの実験には素直に感動してました。

そのなかの一つが放射線で、物理の先生が箱のような装置(ガイガーカウンターの一種だったのかな?)で音として放射線の存在を感じさせてくれたときは、ドキドキしました。小さな原子の世界で起こってる現象をこうしてひろえるなんてすごいなあと。

理数系の学科にいたこともあって、当時は核分裂やら放射性同位体のことはもちろん、E=mc2の公式でエネルギーと質量の関係については相当に計算して実感してたはずなのですが、「原子力爆弾はとんでもなく破壊力があるなあ、こわいなあ」と遠い世界のように思うだけでした。

今思うと、当時のわたしが原子力発電所のことをリアルに想像できてなかったなんて、悪い冗談のようです。時はチェルノブイリの原発事故が起きて間もない頃でしたが、ソ連は遠くにある国で、そこから出た放射性物質が地球をめぐってるなんて思いもしませんでした。さらには、わたしが通っていた高校から30kmも離れていない場所で原子力発電所の建設がはじまっていたのですが、そのことについてなにか考えた記憶は全くありません。

原発についてほとんど本能的ともいえる危機感を感じたのは、2007年に能登半島地震が起こってからのこと。が、単に、別の発電法について調べたり実践するのみで、事故が起こったらどうなるか、実際何がどう危険なのかは、調べてませんでした。原発自体や放射性物質の人体への影響について調べ始めたのは昨年の震災後のことで、調べれば調べるほど衝撃的な事実が明らかに。調べものは好きなほうですが、知れば知るほどあんなにつらくなる調べものは初めてで、これ以上は精神衛生上悪い、と、半年ほどでやめてしまいました。

でも。つい先日の大飯原発の再稼働については、能登半島地震の時と同じくらいの危機感を感じました。日本の国民なのに、福井県のすぐ隣県に住んでる住民なのに、そんなわたしの意見をまったく無視してコトが進められてしまったから。そしてなにより、福島の原発事故の惨状を知らないはずはない政治家たちが再稼働に賛成した気持ちや理屈がわからないから…。

というわけで、多少つらくても調べものを再開しようと思います。賛成派の人たちは何を感じ、考えているのか知りたいです。どうしても原発を運転しなければならない理由って何?

ところで、政府は原発政策の今後について、意見を募集してます。わたしのようなもどかしさを抱えてる方はぜひ意見を送ってみてください。以下のサイトから簡単に送信できます。意見募集期間は7/3まで。

話そう"エネルギーと環境のみらい"

追記(7/14) 意見募集期間は8/12までに延長されました。

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