2012年7月4日水曜日

ベン・ウィルソン『僕たちのバイシクル・ロード』

自転車というのはほんと、スバラシイ道具。徒歩よりだんぜん速く走れるのに、「自力で」移動した感覚が持てるわけで…。

そんな、「自転車」での世界一周旅行映画、きっと面白いだろうと、iTunesでダウンロード開始。で、よくよく映画の説明を読んでみると、「ドキュメンタリー映画」だということがわかり、「どうやって撮ったの??」「撮りながら世界一周!?」と驚きつつ観てみると、撮影機材を自転車にのせて運びつつ、自分たちを撮りつつ、の世界一周でした。時間にして、約3年の旅。単にラッキーともいえるかもしれませんが、こんな無茶でもなんとかなるなんて、世界はそんなに悪くないんじゃないかとも思ったり。いやあ、無事帰れてよかったです、ほんと(以下、若干ネタバレします )。

そもそもドキュメンタリー映画って基本的につまらないことが多いかと思いますが、この映画は、自分たちで撮ったにしては、よく編集されてるなあと思いました。それと、カメラが自転車についてることで、主人公たちと一緒に進んでる感覚が持てるシーンが多々。まさに、自転車からみえる景色がたのしめる映画という点ではかなり貴重かも。

といっても、次々と変わる景色に、やってくるトラブルに、ドキドキワクワクな映画体験ではあるのですが、よい子はマネしないでね、とも言いたくなる旅です。例えば、中国を走ってる時なんて、道に迷ったまま山に自転車で登るだとか、現地の人に地名すらしっかりきけない状態で走り続ける彼ら。気づけば、大気汚染が深刻な地域に突入して顔が泥だらけに(というか、相当、有害物質を吸い込んでるはず…)。

さらには、転倒して意識不明に。頭を縫ったり、髄膜炎になって現地で寝込んだり。自転車旅行は身体が資本ですから、そこで挫折してもおかしくなかったのに、途中で帰らなかったことが素晴らしくも呆れました。さらにさらには、所持金はユーラシア大陸を横断した時点でなくなったにもかかわらず、オーストラリアへ行こうとして「船のヒッチハイク」を試みる主人公たち。見事成功して、それ以降、大陸間の移動は全て同じ方法採用。んー、今の時代、飛行機を使わないこともすごいですが、徹底してお金も使わないこの姿勢にはびっくりです。お金に頼らない生活という意味ではこの主人公たち『ぼくはお金を使わずに生きることにした』の主人公といい勝負かも。

それにしてもほんと、観ると自転車で走り出したくなるような映画です。

関連リンク
映画『僕たちのバイシクル・ロード 〜7大陸900日〜』公式サイト

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